無理矢理、起こされた私は、母が作ってくれた、弁当を持ち、玄関を出た。

この景色を見るのは何回目なんだろう。
きっと、この先でも何回も見ることになるんだろう……。

毎回、私は思うのだ。

スクールバックのファスナーをあけ、myヘッドフォンつけ、歩き出した。

このヘッドフォンは結構前から使っていて、お気に入りで、唯一の相棒だと言ってもいいぐらいだ。
見た目も良いし、音も良い。

音が良いといっても、前、友達にイヤホンを借りた時に、「なんかショボイ…」と思ってしまったからだ。

このヘッドフォンが、特別高いわけでもなく、ただ、慣れてしまっただけだ。

歩いていると、たくさんのカップルがチラホラと見える。
何かとそれにイラだってくる私は「リア充爆発しろ!」と心の中で思っている。
きっと私には彼氏なんてできないだろう。てか、いらない。

まぁ、付き合っている時は楽しいと思うけど、別れを告げられたら、きっと、悲しみのどん底に落ちてしまう。

そんな想いをするなら、彼氏なんて、いや、好きな人なんて作らなければいい。

と、思い、夢を見ない私だった。