酷く嫌な夢を見た
目を覚ますと、そこは自分の部屋
起きあがると何かがこぼれた
涙だ
夢の中で泣いていたんだろうか？

始まりはいつだっただろう

僕は交通事故にあいそうになった
その時に少し長い髪の毛を後ろで束ねていてきれいな茶色の髪の男の人が助けてくれた

なんて名前だったかな。
変な名前だった気がするんだけど

美里に聞いてみようかな
その事故になりそうだった日、美里も一緒にいたから…
昔にも何回か聞いてしまったことがある
なんていう名前だったかな………まぁいいかッ

そういえば美里、どこ行ったんだろう
一緒にいたんだけど…
何回か見た夢の中で、こんなことあったけ？

外に出ると青い空が曇っている

あれ……雨まで降ってきた
これは多分初めて……

予報はずれの雨が降る
泣いていた蝉の声も、今日はいなかった。

「ねぇ………君」
「……はい」
知らない声に呼ばれ、振り向いた。
「君は一人で、ここに来たの？」
「いえ…友達と来たんだけど、はぐれちゃって」
「はい。でも今日は会えない気がして」
「そっか。『彼女』に会いたい？」
「…会いたいです」
「そう。ならきっと大丈夫」
その人はそう言って歩きだした
「どこ行くんですか？」
「ついてきてもいいけど、後悔しない？」
僕はうなづいた
「じゃあ、ついてきて。『彼女』に会わせてあげる。だから…」



「…今日の日のことを忘れないでね」