イザべラ幹部が作業終了を伝えると同時に、辺りは喜びの声に包まれた。天使達は互い労った。
「慎一、貴方もよく頑張りました。もう大丈夫です。
念のために、貴方が再びマイナスエネルギーを溜め込まないように処置を施しました。
これで、貴方も全世界も救われました」
そう言ってイザベラ幹部は倒れた。
「イザベラ幹部!」
天使達が、イザベラ幹部を抱きかかえた。
「大丈夫よ。力を使い過ぎただけです。少し時間はかかるけど、天上界で休めば
必ず回復します」
「そうか、よかった」
慎一は胸を撫で下ろす。
天使達は、イザベラ幹部を連れて天上界へと帰って行った。
「これで、全て終わったんだな」
慎一はすごく気持ちが軽くなったのを感じた。
今までに感じたことのない清々しい気分だ。

 エレーナとさやかが、帰ってきた。
さやか「無事、終わったんだってね」
慎一「うん、すごく気持ちが軽くなった」
「よかったですね」
晴々とした慎一を見て、エレーナは、安堵の表情を浮かべた。 
「ところでイザベラ幹部から聞いたんだけど、浄化作業の代わりに
別な仕事を言いつけられたんだって?」
慎一は、その事が気になっていた。
エレーナ「はい、私達は浄化が終わるまで天上界で待機させられました」
さやか「私達の仕事は、これからなのよね」
ふたりは互いに顔を見合わせる。
「他にまだやることがあるの?」
エレーナ「私達は、浄化作業に加わるつもりでした。
でも、作業が始まる前にイザベラ幹部から呼び出されたんです」

 エレーナとさやかの回想
「貴方達二人は、浄化作業から外します。浄化作業は、力のある者達によって行います」
イザべラ幹部の言葉は意外だった。
エレーナ「そんな、どうしてですか?」
さやか「私達にもやらせて下さい」
突然作業から外され、戸惑う2人。
「これは、大変体力を消耗する危険な作業です。
場合によっては、命を落とす者もいるかもしれません。
天使の力には、個人差があります。貴方達の力では、危険すぎます。
でも、貴方達のことですから、現場に行けば、無理に参加すると言うでしょう。
ですから、浄化作業が終わるまで天上界で待機してもらいます。
貴方達の役目は、命を危険にさらしてまで浄化作業をすることではありません。
貴方達には、別の仕事を与えます」
エレーナ「別な仕事ですか?」 
「確かに、浄化作業は、すごく大切な仕事です。でも、貴方達にはもっと重要な仕事を与えます」