俺の頬を掠めた火の玉。


俺の横髪を焦がした。



「冥府の神の力とは破滅の力…全てを燃やし尽くす…跡形もなくな」



今度は隠し持っていた大鎌を俺に振り下ろした。


俺は対極刃を引き抜き、受け止める。



柄を持つ手元に痺れを感じる。


冥府神の振り下ろした大鎌の衝撃で俺の手首の骨が軋んだ。


俺も本気で挑む。


互いに常人を超えた動きを繰り出す。



「お前の力はその程度か?花奏はいい女だ。俺は何度も花奏と同衾したぞ」


武器を交えながら、速水さんは俺に吐き捨てた。


そして、そのまま、力で俺を撥ね飛ばす。


俺の躰は石壁にめり込んだ。