美しい茶色がかった髪。


美しい、何かを悟っているような強い意志を持った瞳。



にこりと笑うときに出来るえくぼ。





………綺麗だ。




素直な感想だった。


そこには、美しい青年が立っていた。






「…………誰だ?」


小野寺は神妙な顔つきになる。


男はおどけたように笑った。


「あーはい。名乗らなきゃですかい?」



「僕に名乗って欲しいならな」



仕方ないなあ、という風に男は頭を掻いた。