食べ終わって、8時になろうとしていた時。

「なぁ、陽菜。今日の帰り途中で言えなかったこと言ってもいい??」
 

突然でビックリした。
空の言いたいことは私が聞きたくないと思っていたことだった。

「う…うん。」



「俺さ、陽菜と同じクラスになって
 通学路も一緒だししかも家まで近いし、すっげー嬉しかった!!」
「うん??」
「俺ね、自己紹介の時に
 緊張している陽菜を見て一目惚れしちゃった
 …言っちゃった!!恥ずかしー!!」

と言って顔を真っ赤に染めてクッションに顔を埋めた。
それを言われた私は急すぎて何も考えられなかった。

「え…え…えええええええええ?!」

クッションに顔を埋めるのをやめ
真剣な顔をして私を見て言った。


「まだ、今日は付き合ってとは言わないよ。
 俺はいつか、いつか絶対告白するから。
 その時まで絶対好きでいるから。
 できればでいい、できれば俺のことを想って欲しいつーか…
 あー!!も!!なんでもねー!!」

と言ってまた顔をクッションに埋めた。


生まれて初めて異性に《好き》と言われた日だった。
しかもそれが私の初恋の人だった。
でも、まだ告白されたわけじゃない。
それに付き合ってるわけでもない。
だから、浮かれるわけにはいかなかった。

「私も、好きだよ。空のこと。
 ちゃんと、恋愛感情として。
 初めてだからわかんないけど多分恋愛感情かな…。」

このことを言うのがこんなに恥ずかしいとは思わなかった。