「でも夏音がやきもち
やくとか、年上キラ-も
成長したね-」
紗姫が笑いながら言う
「もう年上キラ-
じゃないし」
紗姫の笑いとは裏腹に
鏡に写る私の顔は
むんつけていた
「でもさ、これまで
ず-っと受け身だった
夏音が自分から
色々思い起こすとか
結構本気だね?」
「違うよ、今までも
全部本気だったもん」
「はいはい、でも
案外夏音は年下の方が
上手くいったりして」
「分かんない、
でもたぶん今度は
前にみたいには
ならないよ」
これは私の優哉と
付き合う前に自分に
誓ったこと
前までの私には
意志がなかった
たぶんこれだと
優哉ともまた同じに
ことになってしまう
それだけは
絶対に避けたかった
優しくされるだけ
じゃなくて私も、
優しくしたいと思ったんだ