先輩に彼女がいることは
多分皆知っていた


可愛くて、とてもお似合いで、あんな風になりたいと先輩の
背中を見ながらいつも思っていた



そんなうちに、いつの間にか私は先輩が好きになっていた

誰にも、紗姫にも言えない…胸にしまいこんでいようと思っていたのに


そんなこと言わたら気持ちが揺らぐ…



「先輩…でも待って……
離して下さい…」


先輩から体を離す


先輩が不安そうな顔をした



先輩のこんな弱い一面を
見たのは初めてだった


「先輩…彼女いますよね?」