『あ、あー……』
「白旗…ちゃん?」
『あ、无でいいよー』
「"ちゃん"には突っ込まないのか!?」
だってバレたからには仕方ない。
別に本気で隠してた訳じゃないし。
嘘ついて騙す必要もない。
『あ、ちょっとまって。座っていい?』
「ノリ軽いっ!!」
近くにあるイスに座って背もたれに持たれ、くるくると回転させる。
「ほんとに、女の子?」
『うん、正真正銘の女「女の子はどこっ!?」
『えぇぇええ……』
突然乱入してきたのは、黄色。
そろそろ狙ってるよね?
って思えるほどの髪、目、ピアスが黄色の少年。
ふわふわした雰囲気を出しながらその人は近づいてくる。
って、あれ?
何かさっきの言葉と似つかわしくない見た目だな。
くりくりした目に白い肌、少女と間違われてもおかしくないその容姿で、女好き疑惑?
「だ、誰?この美人さん?」
『あ、白旗无ですー』
「…ない…?」
167㎝の私よりもほんのちょっと低い位の身長…165㎝くらいか?
男子にしては小さめだね。
「ぼ、僕は黄伊光(キイヒカル)」
『よろしくねー』
イスを逆に座り、背もたれ部分に肘をついて片手をひらひらと振る。
赤、青、黄
『信号トリオね』
「誰がだっ!」
真っ赤っかこと赤羽大地がそう叫ぶと、がチャリと扉が開いてゾロゾロと人が入ってくるのがわかった。
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