バンッッと真っ赤っかが扉を開けたのは視聴覚室のもの。
「青城っち、みんなー!見て見て、屋上で拾ったーっ!!」
『拾ったて…』
諦めたように腕を引っ張られながらため息を着くと、視聴覚室の中には男の子が1人いた。
ま、男しかいないんだけどね。
「ん?大地か…」
「あれっ?青城っちしかいないの?ま、いっか!」
『いいのか』
大地と言うらしい真っ赤っかは私の腕を離すと次は両肩をつかんで青色の前につきだした。
その青色さんは真っ赤っかと同じく髪も目もピアスも青。
猫っ毛の真っ赤っかとは違ってスポーツマンみたいな髪の毛をワックスで立ててこれまた見事にセットしてある。
「大地、この子は?」
「拾った!」
「じゃなくて…」
何がそんなに楽しいのかずっと笑っている真っ赤っかと呆れて困った様子の真っ青。
『あー、拾われたらしい白旗でっす』
「白旗…?初めて聞くね…」
『あ、転校生だから』
「…そっか」
そういうとふわりと柔らかく笑う真っ青。
「俺は青城悠太(アオキユウタ)。こいつは、」
「はいはいっ!赤羽大地(アカバダイチ)!!よろしくっ!!」
『あー…はい、よろしく。私は白旗无』
それは、ごく自然に口から出た。
「「…………"私"??」」
そりゃそうだろう。
17年間ずっと使ってきた一人称なんだから。
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