なんか、幼なじみだから全く意識したことないけど。


おしゃれで今風でイケてるな、海斗くんって。

…そんなことを思った。


うちとは正反対。

たぶん…ていうか絶対、学年の中でモテてる。

部活の先輩たちがそんな話してるのも聞いたことがあったのを思い出した。


「で?」

「えっ」

海斗くんがよびかけた声ではっとした。



「学校いかねーの?」

いつものテキトーな感じで聞いてくる彼。

でもその一言がいまのうちには重すぎて。


「あ…頭痛いの」


――とっさに嘘をついた。



これが仮病というものか。


「まじ?熱は?」

そんなこと知らない海斗くんは本気でうちに尋ねてきた。


「え、いや…それはその…」


―――うわっ。

うちのおでこに、海斗くんが手のひらをくっつけてた。


「うーん…」

海斗くんがうなる。

やばい、やばいやばいやばい。

どうか仮病ってばれませんように!




「…少し熱い?」


海斗くんが手を離した。


あぶなかった――。