そして思い出した。


―――お前、笑ってた方がいい―――




自分の笑顔が

キライでスキになった。





「あーそれ落書きしたい!していい??」

胡桃の声ではっとする。


「え?いいけど」

なんで?と聞くと胡桃が得意気に笑った。


「その杏里ちょーいい感じ♪ ケータイ送信したいから、胡桃がナイスな落書きしてやんよ!」


胡桃はうちからペンを奪って、さらりさらりと書いていった。


―――気づいてたんだな。

うちがこの1枚しかちゃんと笑ってないの。


やっぱ、胡桃だよね。


胸がズキンと痛む。