「杏里ー神木くん、どう?」
胡桃がプリに落書きをしながらたずねた。
「え?あ、うん。少し仲良くなれた」
胡桃のプリの落書きを横目で見た。
‘ずーっと心友’
二人の名前と一緒に、そう書かれているのを見た。
神木くんの顔が浮かんで、ちくりと胸が痛んだ。
「本当?じゃあ、アドレスもうすぐ聞けそうかなっ?」
―――ああ、そうか。
うちが神木くんのアドレスをもらって、
それを胡桃に渡して。
そしたら任務完了だもんね。
うちは神木くんと話す口実がなくなっちゃうんだね。
アドレスを聞いたら、その後は。
胡桃に協力するなら、うちはそれ以上神木くんに近づくべきじゃないんだね。
心臓をわしづかみにされるようだ。
じんわり、じんわり痛い。