「うん。」 それだけ言って、うちもにこりと笑った。 愛想笑いとかじゃなくて。 自然と笑えたんだ。 心がじんわりと温かくなるような気がした。 「お前、なんだよ」 「…へ?」 神木くんがいきなり訳のわからないことを言って、またまっすぐ前を向いてしまった。 どういうこと? 「あの…それはどういう…」 「お前、笑ってた方がいい」 ―――――風が吹いた。 ふわりと、真っ白いカーテンがふくらんだ。