「つか、さっきの彼氏?」


神木くんはこっちに視線を向けないままうちに質問してきた。

さっきのって、たぶん海斗のことだ。

きっと見てたんだ。


「か、彼氏じゃない!幼なじみの先輩…」


あれ?

なんでこんな必死に否定したんだろう今。


「ふーん」


神木くんは少しそっけないような返事をする。

無愛想なのか、よくわかんない。


思わずじっと神木くんを見つめる。


…まつげ、長いな。

横から見た伏し目の先のまつげ。


なんとなくきれいだと思った。