「杏里~朝ごはん出来てるよっ」

「……ん~っ…」


お姉ちゃんという名の不快な目覚まし。

「今…何時……」

布団の中から手を伸ばしてケータイをとる。


“07:24”


「うわっ、遅刻!!」


一気に目覚めたうちは、布団からガバッと飛び出て一階へと階段を駆け下りる。

「おおおお母さんっ、お弁当!」

「はいはい。朝ご飯は?」

「無理、時間ないって!」


半ば強引にお母さんからお弁当を奪い、朝ご飯に出ていた卵焼きだけを口の中に放り込む。

そしてまた二階へと駆け上り、制服に着替える。