そんなことを考えてたら、全く集中できないまま下校時刻。 周りを見渡すと、あんなにはりつめていた図書館は、うちのほかにあと二~三人しかいなくなっていた。 もうだめだ。 帰ろう。 疲れてる。 「杏里」 玄関でうちの名前を呼ぶ声。 「………胡桃?」 夕日の逆光でよく見えなかった。 けどそこには確かに。 胡桃がいた。