しんと静まりかえった自分の部屋。 聞こえるのは時計の秒針の音。 そしてさっき降り出した雨の音。 ベッドの上に死んだように倒れている杏里。 枕元は涙で濡れていた。 「………ごめん…なさい」 ひとりごと。 呟いて、涙が出て、胸が苦しい。 誰に対する謝罪なのか。 胡桃に? 協力できなかったから? 同じ人好きになったから? …裏切った、から?