これはまだ美夏に言う勇気はなかった。

美夏がもし、思ってるような子じゃなかったら、離れていくかもしれないと怖くて打ち明けられなかった。


胡桃しか知らない。

うちの究極の人見知りの理由。

それと、

…恋愛が怖い理由。



「で、どうすんの神木は」

コツンッ。

「…いったぁ~!!」

ぼーっとしていたうちの頭を、空になったお弁当箱の角でたたく美夏。


「う~ん…どうしよ」


教室を見渡す。

神木くんはいない。