「胡桃ね、気になる人いるんだっ!」
高校に入学して数日後のとある放課後。
駅のスタバで頬を赤らめながら相談をもちかけてきたのは、中学からの親友、高橋胡桃である。
ストロベリーフラペチーノを飲みながら少し俯いて話し始めた彼女。
長いふわふわした髪で顔が若干隠れる。
「その人野球の期待の新人みたいで…1年なのにすごい上手くてね、部活してるところとかカッコいいの」
胡桃がうちにこんな話持ちかけるなんてめずらしい。
男子から告白されることはあっても、自分から人を好きになることなんて、いままでなかったような気がするのだ。