とある日。
「おいっ、絢…早くしろ」
「だって、急に言われても…」
俺らはウチの母親が来るつもりでいたスパリゾートに来ている。
昨日になって、急な葬儀が入ったとかで…
既に予約済みという事もあり、
母親に押し付けられ…現在に至る。
「終わったか?」
「ちょっと待って」
「ったく、先行くぞ?」
「えっ…すぐ済むから…」
施設内は何処でもフリーで使用出来るらしく、
母親の計らいでエステをキャンセルし、プールと食事にして貰った。
…で、今。絢はフロントから渡されたバッグの中に最低限必要な物だけ入れるように指示され…
あれこれ選ぶのに手間取ってる。
っつうか、プールに入って食事するだけなら別に悩む事なくねぇ?
「はいっ!!これで…大丈夫!」
「お客様は…他にございませんか?貴重品などお忘れになりませんように」
「あぁ…大丈夫です。俺の貴重品はコイツなんで」
「!!//////////」
俺が絢の頭に手を置くと、これでもかってくらい赤くなった。
フッ。やっぱ、絢を弄るのはヤメらんねぇ。
「ほら、絢…行くぞ?」
「えっ…あっ…うん///////」