『最後のチャンスをくれてやる』


俺は悪魔のカウントを始めた。


彼女は条件反射で慌て始める。


フッ。まだ身体に染みついてたか。


コレって結構効くもんなんだな。


彼女はどうしたらいいのか分からない様子。


まぁ、俺だってどうなるか分からない。


初めはただ慌てるコイツが面白かっただけ。


いつからか…コイツのアクションに感動するようになり。


俺はカウントする事でコイツの本心が見えるような感じがして


いつの間にか……恋の指標と思うようになっていた。


そして……今日も………。


俺は別に“3秒”なんて一言も言って無いのに。


彼女は悪魔の魔法にかかったかの如く


たった3秒で俺の胸に


  “ 好 き ”


と言いながら…飛び込んで来た。


俺が毎日夢にまで描いた…


  “彼女のぬくもり”


そして…


彼女……市村 絢……は、


俺の本当の恋人になった。