俺はと言うと、“彼女”というものに興味は無く、欲しいと思った事すら無い。
っつうか、むしろ…いらねぇ。
キャンキャン吠えて、甘えた声で媚びて来る。
挙句の果てには束縛し、見返りを強請る。
…………うぜぇ。
だから、ユウが見に行こうと何度も誘うが行く気になれず…
毎日ユウの誘いを断るのが正直面倒だった。
そんなある日。
ユウと空き教室で昼飯をしてると、
教室の外から女子の会話が耳に飛び込んで来た。
ユウが無理やり腕を引っ張るから仕方なく、
ドアの隙間からそっと覗くと。
「何で、今どきの女の子達ってイケメンに弱いかねぇ」
「見た目が良ければ中身なんて気にしないんじゃない?」
「けどさぁ、あたしは顔より中身重視だなぁ」
「たとえば?」
「何かに熱中して頑張ってる人とか、素敵じゃない?」
「うん、それ分かる」
「あとは、たとえカッコ良くても絶対鼻にかけたりしない人」
「うんうん…分かる」
「そういう人、いないかなぁ」
彼女らは教室脇の階段に座って話していた。