「あー疲れたぁ」 「高校生にもなって、スポーツテストはありえないよねぇ」 「ホントだよ」 体育の授業を終えて、更衣室から教室へ戻る途中。 「ゆず、ゴメン。先、行ってて」 「またぁ?」 「うん、すぐ行くから」 「あーハイハイ。頑張って~」 “ゆず”こと、佐伯柚子(サエキ ユズ)。 私の秘密を知る唯一の友達で大親友。 手を振るゆずと別れて、駆け足で屋上へ。 屋上のドアを開け、辺りを見回す。 ヨシ!!誰もいないね?