こいつは何に今まで絶望してたんだろう。

エミの欠けたものを今まで探していた気がする。

だけど、それは簡単に見えるものじゃなくて。

それを知る方法が今まで分からなかった。

だけど、今は分かる。
こいつは仮面を被っているんだ。

人間らしい喜びや信頼感、そういった物を捨てた人間の仮面をエミは作っている。

それは自分自身の諦めから来たものなのか、分からない。

だけど、この涙はそんな仮面の隙間からはみ出した感情なんだ。

だったら俺も真っ直ぐな気持ちを伝えないと。

「決めつけんじゃねーよ!、俺は、お前を助けたいからここに来て助けた。誰から命令されたわけでもないし、ただぼこぼこにされただけで、良い事なんて何もないじゃねーか!。だけどな、俺が考えたのはお前を助けたいって事だけ!、理屈なんて決めてねーよ!、それとも何か?、お前は理屈や得がなきゃ人を助けらんないような、そんな世界で本当に良いのかよ!」

思いきりまくし立てるように言い切ると、より一掃目の前のエミは涙を流した。