そして、それからの展開は必然的に予想出来た。

取り巻きを含めた他校男子から蹴る殴るの暴行。

予想は痛みを持って現実と知る事になった。
「おら!、かっこつけてみろよ!、どうした!、おら!」

「だせー、こいつ死ぬ程だせー!おら!」

痛みで何度も意識が飛びそうになる頭、だけど、そんな中でも俺はエミの姿を追った。

エミの表情は、よく見えない。

だけど、口を開けたまま、少し震えていた。
「俺は、どうなってもいいからあいつには手を出さないでくれ…」

暴行が一瞬止んだ時、思わずそんな事を口走る。

俺がそこまでする義理なんてないのにな。

頭で考える前にまるで言葉が出たような状態だ。

「お前さ、そんな状況でかっこつけてるとまじに殺すぞ!」

さらに男の視線がきつくなる。

その最中、男の脚もまた、思いきり後ろに振られる。

鳩尾を思いきり蹴りあげられる。

そう覚悟し、目を閉じた瞬間。

「警察だ!、お前ら何やってるんだ!」

工場の外からの声。

それを聞いた連中はあたふたする。

「くそ、誰かちくりやがったな!、お前ら、ずらかるぞ!」