家に帰ると、鏡を覗き込む。

目の回りが腫れてる。
それはそうだ。

さっきまであんなに泣いてたんだから。

「ふぅー…」

今日は少しでも早く寝よう。悪い事は寝たら考えなくてすむ。

それに、あの人が言っていた事が頭に残ってる。

願いが叶うか…。

今の私の願いは…。

願いは…。

彼に好きになってもらいたいってこと。

女々しい女かもしれない。

だけど、それ位願ってもいいよね?。

何故か、そのお守りに聞いてしまった。

私、馬鹿みたい。

色々考えてたら、一瞬で冷めてしまう。

そんな上手にいくなら、今まで色々頑張ってない。

彼の好きな物、食べ物、好きなテレビ番組。
そんな色々な情報を知って、彼を知った気になって。

でも、気持ちが届かなかったら何の意味もない。

彼の好きな子の名前は山谷さん。小さくて、長い髪が綺麗で、眼鏡がとても似合っていて。

とても可愛らしい子。
彼女は私にないものを沢山持ってる。

私が欲しかったのはあなた以外の人からの綺麗って言葉じゃなくて、ただ、あなたからの可愛いって言葉が欲しかった。