私は山谷亜由美、16歳。

友達からはよく真面目そうと言われる。

身長は156センチ、眼鏡がないと生きていけない、ド近視。

髪は前髪も含めてやたらと長い。そして黒くて固い髪があんまり好きじゃない。

今日は私の好きな人に告白する日。

彼は学級委員を勤める私と一緒に学級委員をしてくれている。

今年の春、クラスメイトから学級委員を推薦された時、そんなに目立つ事が好きじゃない私を彼は庇ってくれた。
結局色々あって私が学級委員になってしまったけど、もう一人の学級委員に立候補してくれた。

笑顔が似合う、優しい男の子。

運動が出来るとか、勉強が出来るとかじゃないけど、誰にでも優しい彼は人気があった。
「笹山君、今日は急に呼び出してごめんね…」

そんな彼の名前は笹山有志。

「ううん、別に気にしないで…、俺、暇だったし。それより今日は何か用事?」

「あの、その…」

教室のはじ、窓が開いているので風が強く吹き付けている。

やだ、髪が、髪がぼさぼさになる。

手で長い髪を抑える。
緊張でどうにかなりそう。