私は、沢口美月、16歳。
周りからはよくモデルみたいとか言われる。
身長は170センチで肩に懸かるくらいのショートヘア。

よく同じ学年の男の子から告白されるけど、本命の男の子は別の子で振ってばかり。

そんな私は今日彼に告白する。

「もしよかったら、私と付き合って下さい!」

「ごめん…」

彼の名前は野村忠春。
野球部のエースピッチャー。

勉強も出来て、運動も出来て、顔もハーフみたいな爽やかな顔。髪型は野球部らしく短髪。

身長も私より高くて180センチ、筋肉質。

彼の答えは分かっていた。

彼の事はずっと見てきたから、だから。

彼が自分を好きじゃない事も、彼が誰を好きなのかも知っていた。
「俺、他に好きな子がいるから、付き合えない…。本当にごめん…」

深く頭を下げる彼。

「ううん、ちゃんと話聞いてくれてありがとう…。その、それじゃ!」

私はその痛みに堪えられず、彼の顔を見ないでただ走り去る。

「沢口!」

後ろから声がするけど止まれない。

分かっていた答え。

そのはずだったのに涙が止まらなかった。

私は彼の好きな女の子になれたら良かったのに。そしたら好きになってもらえたのに。