「・・・健太くん、大丈夫・・・?」


心配そうに言う璃菜に、私はにこっと笑い。


「大丈夫だよ。……蹴ってないし♪」


え、何気なく言った私に璃菜は目を丸くしていた。


「蹴ってない・・・?」


「うん、少し掠っただけ。あいつ、大袈裟なんだよ」


蹲る健太の方をチラッと見ると恨みがましい目で睨まれた。


「怖い、怖い♪」


しばらく璃菜と談笑していると担任が来た。


「席に着けー、ホームルーム始めるぞー」


急いで席に戻り着席する。



……座る瞬間、少し視界が揺らいだ。