聞いたことのある声に、私は声の発信源を向いた。
「ご機嫌麗しゅう、ロワさま。ノアさま」
声の主は優雅に一礼すると、ふふ、と微笑した。
「イザヤ!」
「あっ、コスプレ変態男!!」
私とノアさんの声がコーラスする。
「・・・やれやれ、これはまた酷い認識をされてしまいました・・・」
ノアさんの発言にだろう、イザヤは額に手を当て悩んだ振りをした。
「いきなり私の親友に手を出すなんて、このド変態っ! 璃菜は何処なの!?」
(リ……?)
また上手く聞き取れなかった。
どうも彼女の発する言語と、私の国の言語は違うようだ。
「嗚呼、その点はご心配なく。……リナさまも、直にいらっしゃいます」
「……イア……?」
聞こえた通りに発音するとイザヤに
「リナ、です。姫様」
「リナ、さん・・・」
私は反復すると、うーん、と考えてしまった。