「誰かいるの?」


私でも璃菜でもない声が響き、私は声の方へ向かった。


(あの夢は何・・・?)


さっきまで私は教室にいて、担任の退屈な話を聞いていた。だけど突然変なコスプレ男が来て、璃菜の唇に触れてそこで意識が途切れた。


(……そして)


意識が途切れた私がいたのがこの空間、シャボン玉のような物に触れようと手を伸ばしたところでまた意識が途切れ、私は可笑しな夢をみた。


夢の中の私は、此処最近ずっと見ていた夢と同じような服を着ていて、沢山の人と挨拶していた。


「ふぅ。……ま、考えても仕方ないか・・・」


変な夢をみるのは馴れた。・・・今は、この空間に私以外の誰がいるのかが問題なのだ。




「…ねぇ、貴方は誰?」




その人は私を振り返り、少し戸惑っている素振りをみせた。


(え・・・っ!?)


しかし、私はその人と同じくらい……その人以上にびっくりした。


(ま、まさかそんな!?)


その人もわかったのだろう、目を見開き此方を見詰めている。




………そう、その人と私は、「同じ」顔をしていたのだ。