庭園には、お母様が庭師に命じて植えさせた四季折々の花が咲いている。


「……気持ちいい……」


私は呟き、花の上にねそべった。


「……んぅ・・・」


フロウはそんな私を寝たと思ったのだろう、私に乗りごろごろし始めた。


「フロウ、重い……」


光射す庭園で戯れる姫と愛犬、なんてことを考えていると唐突に睡魔が襲ってきた。


「……フロウ、寝よ?」


フロウを降ろし言うと、彼はきゅぅんと鳴き駆けて行ってしまった。


「あっ・・・こら、待ちなさ、い……っ…………!」


追い掛けようと立ち上がった瞬間、意識が途切れた。