−ガラッ−
担任の退屈な話が終わりに差し掛かった頃、そいつはやって来た。
−−ザワザワ−−
突然の闖入者に私達は動揺を隠せなかった。
(誰・・・?)
闖入者は教室内を見回すとハッとした顔で私の方を見詰めた。
(……え)
「……あの、すみません」
突然の出来事に対応出来なかったのだろう、担任は今更のようにその男に話し掛けた。
「あ、これは申し訳ない」
話し掛けられたその男は言うと、教室へ足を踏み入れた。
(な、何あの格好)
教室へ足を踏み入れたそいつは、とても変わった格好をしていた。
(……コスプレ?)
まるでファンタジーか何かに出てくるようなマント、腰に刺した剣。
……そして、見惚れるくらい整った、綺麗な顔。
「すみません、……実は人を探していて。・・・ あぁ、まさかこのような場所にいたとは」
後半は私の方をチラッと見ての台詞だった。
(私?)
嫌な予感がした。