「皆その紙どこからもってきたの?」

あたしの質問に答えてくれたのは御影君。

「あそこのピアノの横の棚。はい、これ。音葉用」

「あ、ありがとう」

彼に渡されたのは五線譜だった。

あたしはそれを受け取るとピアノに近付いた。

まずはさっき作った曲を全曲書きこむ。

おかしなところを訂正するためには1度書かなきゃいけないからね。


―――書き終わった楽譜をセットすると、実際に弾いてみる。

まずは彩菜ちゃんの曲から・・・。

~~~~♪♬

「もうできたのか?」

そう言って周りに集まってきた皆に笑顔を返しながらもあたしの指は鍵盤の上を行ったり来たりしていた。