「説明しずらいけど、私には色気ないから描けないんだよ。言葉は出ても身体では表現出来ない。だから、私は純文学じゃないな…多分童話かも」自分で、そう言いながら少し自分の内部に影が落ちる。
周りの空も、夜の帷が落ち始め鬱蒼と茂り始めた木々に影を落とし始めた。
夜が来る…。少し泣きたくなった。
夜は嫌いじゃないけど、好きとも言えない。
多分、夜は自らの意思が阻害されるから。
眠るのは好き。
だけど、自分が自分じゃなくなるのは許せなかった。
いつか許せる夜が来るのだろうか?
「開けない夜はないよ」彼の言葉に自分が泣いてる事に気付く。
涙を拭いながら、彼女は精一杯微笑んだ。
「そうだよね。開けない夜はない…けど、人の思考読まないでくれる?」子供みたいに口を尖らせながら彼女はむくれた。「読んでないよ…感じただけかな。お前ポーカー無理。」
肉体が存在しないのに
彼に抱き締められた気がした。
照れ臭くて、いたたまれなくて突っぱねる。
「私以上ポーカー上手い人居ないと思うけど。」舌を出して、あっかんべえをする。
「お前、その顔…。
まあ良いや。けど、俺には勝てないと思うけどな…。今までの対戦相手ってお前の顔しか見てない