「…しゅう?寝てんのか?」

「…………。」

「しゅう?鷲士?」

「…ん…?」

「鷲士?俺が来ましたよー?」

「…?あ…ぁ…カイト…?何だよお前…すげぇ…香水くせぇ…。」




そういうと、鷲士は俺の腕を引っ張って引き寄せた。

正確にはベッドに引っ張り込んだと言うべきか。


「しゅう寝ぼけてんの?w」
「うっせぇー俺の安眠返せ。」
「ちょっ痛い痛いっwww」



鷲士はいつも強引だ。
俺は脱がされてすっぽり鷲士の腕に収まる。


「香水くせぇの、ちょっとマシになった…。」
「何だよ……。俺、別にそーゆーつもりできたんじゃねぇし…。もう帰るわ…。」
「…どした?何かあった?」



「何もねぇよ…。」


「……ふーん。まぁ何でもいいけど。近所の奥さんと付き合うのも大概にしろよ。」

「…帰る…!」


鷲士の逞しい腕を振り払おうとするが、びくともしない。


「帰るってば。」


「俺は…愛してるかなんて聞かないぜ?」


そう、耳元で呟いて、軽くキスをしながらキツく抱きしめてくる。



こいつは///



昔からこいつは俺のすべてを見透かす。



あの時だって…。



観念して鷲士に溺れる。


いつもみたいに。



「……鍵…忘れた。」