年上の女は後腐れなくていい。
俺の欲しいものをくれるし、俺を飼い殺しにしようとはしない。
……まぁ、たまたまそんな人にしか出会わなかっただけかもしれないけど。
まだ9時くらいだろうか…。
閑静な住宅街を抜け、家に向かってブラブラ歩く。
…さむっ…
もうすぐ夏が来るというのに、まだ冷気が辺りをつつんでいる。
ウチの前を通り過ぎ、隣の家の玄関を開けた。
「しゅうー?また開けっ放しかよーw」
幼馴染みの鷲士はいつも鍵をかけない。俺がフラッと訪ねていく日がわかっているのか、単に無用心なだけなのか。
物音ひとつしない家の中を聞き耳をたてながら二階へ上がる。