「…どけ。」
それは、何処かで聞き覚えのあるテノールボイス。
こんな緊急事態なのに、何故だか胸がドキドキと大きく音を立てる。
そして、その声によって私の前に居た三人は前を空ける。
「……おま、え……」
そう、テノールボイスの人が言葉を小さく吐き出す。
きっと、またウインクキラー…だとか、化け物だとか…怯えられちゃうんだろうな。
「やっと、見つけた……。」
ガシッと肩を掴まれて、顔を上げさせられる。
……!
思ったよりも、至近距離にあった美しい顔に驚く。
金髪に
あの星の様に輝く瞳。
そして、その二つの瞳はシッカリと私を捉えて居たんだ。
まるで、鎖の様に…その金色の瞳に…
私は、捕らえられてしまったんだ。