雨はどんどんと、強くなり

私達を打ち付ける。



あっ……!


前からやっと人影が見えた、

私は急いでその人影に近づく。


迷う事無く声を掛ける。




「すいませんっ……!!」


「なんだ…うわぁぁぁぁぁあ!ウ、ウインクキラー!!!」



50代くらいの男の人は私を見た瞬間、目を見開かせ腰を抜かし後退する。



「どうか…命だけは…!!」


「何もしませんから…っ!お願いします…!この子が傷だらけで…血も沢山流していて…助けてくださいっ!」



男にマントを被せていたヒロくんを見せた。


しかし、それは逆効果。



「ぎゃああああっ!!」




大声を上げ、一目散に逃げて行ってしまった。



「ぅうっ…ど…うしよ…う…」



私のせいでこのままだと、ヒロくんが死んじゃう。


悔しくて…悔しくて


涙が溢れ出す。




すると、前方から何人かの人影がまた、見えた。


これが、最後のチャンスかも…しれない。