そうだ…っ、救急車呼ばないと…!


しかし、アナログ人間の私が携帯を持っている筈が無い。



「誰か…誰か助けて…」



ここから山頂迄歩くのは難しい。


もう、誰かに助けてもらうという選択肢しか残されて居なかった。



私はヒロくんを抱き抱え、来た道を戻った。



無力な自分が醜くて…憎くて、しょうがなかった。