「お姉ちゃん……また…ね、僕のお願い……聞いて欲しい……んだ。」
途絶え途絶えに話すヒロくん。
ゆっくりと、振り返るヒロくんは
何時もと変わらない笑顔に
……傷だらけの身体。
服には血が滲み出ている。
「ヒ、ヒロくん……!一体その傷どうしたんです……」
「お姉ちゃん……僕…」
何かを言い掛けたヒロくん。
しかし、その言葉は最後まで聞ける事は無く
__________バタッ
ヒロくんの小さな身体は地面に倒れて行く。
一瞬の出来事なのに、それはスローモーションで再生されているかの様に
長く…長く…感じさせた。
ヒロくんの身体を支える。
「ヒロくん…!ヒロくん!」
呼び掛けても、なにも返って来ない。
頬を軽く叩いても起きる気配は無い。
このままだと…ヒロくんが危ない…っ!