前から人影が見える。


小さい小さい人影。




…珍しい、あんな場所に人が居るなんて。


それは、山と街の境界線に見えた。




人影は動かない。


私は少しずつ近付いて、それはさっきよりもハッキリと見える。




見覚えが…ある。


あの小さな小さな人影は…




ヒ…ロ…くん…?




急いでヒロくんの元に走る。


背をこっちに向けて居るのでどんな表情をしているのか解らない。


でも、何時もとは違う雰囲気を纏っていた。






「こんな所でどうしたの…ヒロくん?」


「…」