湿布越しに手を当てて、呪文を唱える。
「痛いの痛いのー…お姉ちゃんに飛んで行けっー!」
「えぇーっ!お姉ちゃんにとんじゃうの?いたくない?だいじょーぶ?」
「いたたた…ってふふふ、嘘です。ちっとも痛く無いですよー!」
けろっと笑って見せると
ヒロくんも安心した様に私に釣られて笑ってくれた。
その後は何時もの様に絵本を読んであげたり、一緒に遊具で遊んだり、お話をしたりした。
「ほら、ヒロくんもう5時のチャイム鳴ってますよ。もうお家に帰らないと。」
「えぇーっ!もっとお姉ちゃんと遊びたいよー!」
「ダメです!明日は学校があるでしょう?」
「でもぉー…」
ヒロくんは何時もより増して駄々を捏ねた。
少し違和感を感じたけれどそう言う時期なのかなと勝手に納得していた。
___ゴメンね、ヒロくん。
お姉ちゃん馬鹿だから
ヒロくんの変化にちゃんと気付いて上げれなかった。
ゴメンねー…ゴメンねー…