「……え?」



慎也は言った。

“待ってる”って。


でも、くるみを見る限り、別に俺を待ってたようには見えないし……


さっきも1人で何かやってた…よな?



「…ああ。あのね、四ツ葉を探してたの。」



ほら、って、
くるみの視線が指し示した先には、芝生の端に広がるクローバー畑。

さすがにもう、白い花は見当たらないけど、青々と元気に繁っている。



「新ちゃんも知ってるでしょ?“四ツ葉のクローバーを見つけたら幸せになれる”って。」


「まぁ…」


「だから、探してたの。願い事が叶うように。」



願い事……?

クローバーのジンクスって、そんなんだったっけ?

それって“流れ星”じゃ……?



「あーっ、その顔は信じてないでしょ?クローバーの力はすごいんだからね」



俺を見て、むっと口を尖らせるくるみ。




「本当だよ?ここのクローバーには不思議な力があるんだからっ!」



言葉に力がこもる。



「新ちゃんがくれたクローバーだって、ちゃんと願いを叶えてくれたもんっ」