「何…してるの?」


ゆっくり近づいて、その小さな背中に問いかける。

自分では平常心のつもりなのに…出てきた声は、情けなくも震えていた。

……カッコ悪い。



「……えっ?」


その声に反応して振り返ったくるみ。


「新ちゃんっ!?」


一瞬驚きつつも、すぐにぱあぁっと瞳を輝かせて、


「わぁっ。新ちゃんだぁ!」


パッと立ち上がって、そのまま俺に飛び付いてきた。


「どうしたの?何でここにいるの?」


腕を絡ませてぴったりくっついて、にこにこしながら無邪気に問いかけてくる。

その姿は、1週間前と何にも変わらない。

まっすぐな瞳。
キラキラの笑顔。

そこには、醜い感情なんて存在しない。



「会えて嬉しいっ」



そこにあるのは、
純粋な“好き”の気持ちだけ。


なんで、気づかなかったんだろう?



「……ごめんっ」