「……へっ?」



言葉の意味が、すぐには理解できなかった。



「兄貴の彼女…つーか、“婚約者”ってのがさ、」



またしても話が変わる。

……コイツの思考回路も理解できない。



「くるみの姉貴、なんだよね。」


「……はっ?」



今、なんて?



「だから、アイツとは結構前から知り合いなの。
くるみが入学してきたときに、兄貴から紹介されてたから。」



……は?ちょっと待て。
それって……



「兄貴と菜穂さん…くるみの姉貴ね?2人はつき合い長いからね。
くるみなんて、小学生のときから兄貴のこと知ってたみたいだし。」



じゃあ……



「だから、うちの兄貴はくるみのことめちゃくちゃ可愛がっててさ。本当の妹みたいに溺愛してんの。」



次々と、明らかになる真実。



「だから、俺とくるみは、言わば“親戚”?
最近頻繁に会ってたのは、兄貴たちの結婚式の準備で、だから。」