「……はっ?」
思わず、俯いていた顔を上げてしまった。
何?何の話?
そういう話、してたんだっけ?
ほぼパニックな俺には気にせず、慎也は続ける。
「式は来月なんだけど、もうウチで一緒に住んでるんだよ。」
結婚?兄貴って…雅也(マサヤ)くん?
「なんだ。やっぱり知らなかったのか?おばさんから聞いてないんだ?」
雅也くんってのは、年の離れた慎也の兄貴で。
当然だけど、俺のもう1人の従兄弟でもある。
確か、俺たちとは一回りくらい違ったはずだから…今、30歳??
見た目若いから、全然気にしてなかった。
……って、それはいいとして。
なんで、今雅也くんの話なの?
「じゃあ、くるみに姉貴がいるのは知ってるか?」
「……はぁっ?」
何?今度はくるみ?
話が変わりすぎだろう?
しかも…さらっと、呼び捨て。
結構キツイんだけど。
「それも知らないのか?」
黙り込む俺を見て、勝手に解釈してくれたみたいだ。
「じゃあ、仕方ない…か。」