……そう。
あの日から、俺はくるみを避け続けた。
メールや電話は“気づかなかった”フリ。
登校時間も、
下校時間も、
生活のリズムすべてを変えて。
逃げて逃げて……
いつの間にか1週間。
なんかもう、
本気で会わせる顔がない。
どうしたらいいのかわからない。
「新ちゃんさぁ、ショックだったのはわかるけど、理由も言わずに無視しちゃダメじゃん」
あの日見たことは、あの後すぐにコイツらには話した。……吐かされたってのが正しいけど。
「離れるにせよ、別れるにせよ、一言ちゃんと言ってあげないと。」
……確かにそうだけど、さ。
「まぁ、しびれを切らして、そのうち向こうから言ってくるかもしれないけどな。だから、必死で探してたのかもよ?」
「モトっ!」
……っ。モトキの言葉はキツイけど、
さっさとフラれたほうが楽なのかもしれない。
だってもう、修復なんて不可能だし。
声をかけることすら、
今の俺にはできないだろうから……
黙って机に顔を伏せた。
その直後。
「新一、いる?」
突然聞こえた声。
一瞬にしてざわめく教室。
そこにいたのは……
「……慎也」