「……へっ?」
話題転換?
今までとは一転、慎也の顔がイタズラに弛んだ。
「家の前であーいうことすんのはやめたほうがいいんじゃない?」
「えっ?」
「一応、夜でも“近所の目”ってもんがあるし?」
「……はっ?」
コイツ、何を……?
「どーしても我慢できないなら玄関でやってくるとか…せめて軽くすませろよ。キスくらい。」
…………はぁぁっっ??
「じゃあな。」
俺の反応に満足したのか、楽しそうに走り去っていく慎也。
信じらんない。
……見られた、んだ。
つーか、アイツが見たってことは、他のご近所さんも?
うわぁ、最悪。
だから、裏のおばあちゃんは最近挨拶してくれないんだろうか?
あーっ、もう。
……くるみのせい、だ。
帰り際、いつもキスをねだるから。
応じる俺も悪いけど……
軽くチュッで終わらないからタチが悪いって言うか……
今度から、気をつけよう。